この九郎兵衛の男が立ちませぬっ



 新橋演舞場 昼の部  5月 1日、3日、4日、7日

初日こそ、初めて観る演目だし、団七くんの出場がわかんないしで、最初から最後までいい子にして、 じっくり観ておりましたが、団七くんの出と引っ込みをインプットしてからの、二度目からは、 団七くんの出番以外は、自主瞑想しておりました。カブキチならぬ、吉キチのサガ。嗚呼。。
  四度の逢瀬を終えまして、今一番感じているのは、団七くんの男の子っぽさです。はい。 妻子持ちだし、大きいし、実年齢はむにゃむにゃむにゃですが、(役としては二十代半ばくらいかな?) 演舞場歌舞伎記者懇親会を見てみましたら、「気のいい人ばかりの話」と、言うてでした。  確かに、みな、気がいい。っつーか、だあれも深慮遠謀の人がいず、磯之丞くんと琴浦ちゃんの バカップルを守ろうという一つの目的のために、みんなして、 「男が立たぬ」だの、「女が立ちませぬ」だの言ってます。 なぜですか?なぜ、そんなに、このバカップルをお守りせねばならないわけですか? ほわ〜い?ま、いいか。  はい、喧嘩で人を傷つけて、牢屋に入りました。相手は喧嘩傷は癒えましたが獄死しました。 なんでか、わかりませんが、磯くんのぱぱのおかげで赦免になりました。 ゆえに、すんごい恩義に感じて、磯&琴パカップルを命がけで守ろうとします。 が、団七くんは魚屋さんなわけで、別に磯ぱぱと主従にあるわけじゃありません。(よね?) でも、<男が立たない>から、磯&琴を守らねばなりません。 <男伊達>?ちんぴらさんずの<意気地>?わかりませんな。すんまそん。。
 吉さま団七くんは、まあまあ、強くてかっちょいいわけですが、そんな<男伊達>な<意気がり> さんな感じも薄く、三婦ととくべーと出入りして帰ってきても、とても、闘ってきて昂ってるよう には見えず、白塗り笑顔で破顔してますと、まるで巨大なパタリロのようにかわゆいです。 ここは、ま、機嫌よくしてればいいのかな?琴ちゃんがさらわれたのを知るまでは。  前後しますが、出所後、妻子に会って、市松坊を抱きしめておんぶするとこも、こりゃなぜだか 父子というより、兄弟のようです。私の中では、妻子もちだけど、前髪無いけど、団七くんが 少年、または、青年に見えます。なぜでしょう?おばかちゃんなちんぴら=気のいい人 だから でしょうか?
 と、待ってましたな殺し場ですが、この場のせいですかね?義理とはいえ親子なわけです。 義平次はすんごいちっちゃいのですが、それでも親子です。親子の関係では実年齢がいくつでも やっぱり<子は子>なわけです。でかかわいいです。脱いじゃったあとは、裸で無防備なので ますます、かわいいです。髪もざんばら大童なので、もんもん模様があっても、金太郎さんの 成長後のように見えます。 義平次にいぢめられていぢめられて、身を縮めて耐えます。我慢の子です。 嗚呼、ど・まぞ!登場人物みんながそんなに深いものが肚にあるわけでないので、 きんぐおぶ苦悩までのスケールでかさはありませんが、これまた、播磨屋持ち味の(家主限定感想か?) ど・まぞ!ぶり。萌えます。 そして、立ち回りになりますと、でかい体で動きたおします。ざんばらロン毛にもんもん緋縮緬。 胸元の汗きらきら。ナマアシのセクシーさ、お色気、ここにきわまれり。花道のあんよの形の美しいこと、 わんだほー!
 しつこくも何度も言いますが、でかいです。芸も体もでかいので、連続見得の動きがでかかたい気 もします。しかし、四度目では、かなり動きがこなれてきました。すんごいなあ。これ、実年齢が 若いとしても、大変な動きだなあ。素朴に感激します。特に義平次をまたいで、バッバッと前後 ジャンプ(?)するとこなんざ、万が一、踏まれたら、義平次、命に別状なくても肋骨数本は骨折 でしょう。(ま、殺されちゃうわけですが) すごい、すごいよ。播磨屋。 はいはい。やっちゃいましたよ。刀が手から離れませんよ。肘打ちして離しましたよ。 泥んこあんよを井戸水で洗いますよ、きゃっ!ざっぷんともろ肌に水かけますよ。 刀洗いますよ、立ち上がってざっぱーん! 刀おさめられません。がたぶるしてます。足にはさんでやっとこさおさめた! でかえろかわいい!  あとは、着物を着て、祭りの衆の腰から手ぬぐいとって、ほおかむりして引っ込みですよ。 わっしょいにのって行きますよ、よろふらです。団七くん、がんばれ! 播磨屋〜〜〜っ!
 で、<ほうおう>のインタビューによりますと、 「この後、団七は地獄に落ちていきます。中略 かわいそうだと思っていただけるには、どうしたら  いいかと考えています」 とのことですが、そりゃ、私は、 何があっても団七くんの味方ですよっ!(役に立ちませんけどさ。)
 ええ、ええ、配役が発表になった時から、<ひとり芝居>眼力で逢瀬しようと決心して いましたから、満足ですよ。実際、団七くん出番以外は自主瞑想しているし。 そりゃ、一寸とくべーがほんとに一寸しか無いので視界に入らなかったり、三婦さんが 憑依体質だったりしてもへーきです。ほい。  てやんでえ、こちとら<カブキチ>ならぬ<吉キチ>じゃっ!文句あっか! 誰も文句は言ってないわけですが。(笑)
 まあ、まあ、ひとりだけ、突出して身も芸もでかく、下手するとはみだしそうな中に、力が拮抗して いる人がほとんど居なく(特に一寸さんがちいちゃいちいちゃい。拮抗を望むのが酷ですわね。) それでも、吉さまを座頭にいただく、チーム吉右衛門の熱さは伝わります。(たぶん) それよりも何よりも、あたしゃ 団七くんが大好きですよ。ぽっ。
 ざんばらロン毛がね、最初は、義平次が元結いをはずしてくれて、肩全体をおおうほどの ウェーブついた髪で、いったん引っ込んで出てくると、こんだ、肩の上三分の一くらいに 短くなった、まっすぐさらさらな童髪(正式名称にあらず)で、これがかわいいのね。 これが、ますます、成長後の金太郎さんを彷彿とさせるのね。 理屈ぬきに大好きな、ざんばらロン毛、無条件に愛してるナマハダ。最強です。 ので、何があろうとも吉さま団七くんを愛している私です。 (たぶん、最後でしょうしねぇ。わかりませんけど。) あと、三逢瀬、楽しみますよん。はい。 * 白塗りしてても、右あんよひざ内側、左あんよ後ろがわに痣がくっきり。  千龝楽まで心身ともに健やかに勤められますようにお祈りしてますよ。
 2006年 5月 7日 記 寝ても醒めても 表紙へ