紅旗をいただきにまいりませう

歌舞伎座 1月 4日
 5年ぶりの貞任さん、こんにちは。 5年、5年かあ。あれは国立劇場だったなあ。 あのときの千龝楽は、東京にしては豪雪だった。袖萩日和だったなあ。 でも、引越し下見のため、逢瀬にはゆかれなかったのねぇ。。(旧おのろけを読んで確認)  歳月は光のように過ぎていきますねぇ。
 さて、国立版のときにも、結局、後半貞任さん部分にしかはまれなかったのね。私は。 そして、通し上演でもわかりにくいのに、「環宮明御殿の場」だけの(しかも、国立版よりははしょっている)上演。 初めて観る人には、人物関係からあらすじからとってもわかりにくかったと思う。 そこで、思うのだけれども、これは、きっとたぶん、袖萩とじょじょ、袖萩のととさん、かかさん、 袖萩と貞任の家族の愛情、反目と離反、切っても切れない親子の情けとかに、ぐすんぐすんできればいいんであろう。 あとは、なーんもわかんなくても、後半の貞任の人間離れした、結局は滅びていくんだけど、国崩し的にでっかくて、 豪快で、迫力があって、悪を超えた超人さで、しぇーっ!となれればいいんであろう。  袖萩かーちゃん部分は、国立版袖萩吉さまバージョンは、とっても、頑張っていたけれども やっぱり、私は女形さんがした方がしっくりくるので、それはよかった。 よかったが、しかし、純粋カブキチではないので、最初のころこそ、お目目の見えないほっそりかかさんぶりや お君じょじょちゃんのけなげさや、浜夕ばばちゃんの、母として妻としての情と誇りと、 「武士ってなんなのさ?」な、本心の憤りと悲しみに、つい、ほろり。。とかしてたんですよ。 してたんですが、長すぎる。。けんじょう直方じじが、袖萩にこれでもかこれでもかと辛く当たるのを 観ているうちに、くどい。。寒い。。(観劇日は寒かった)眠い。。  吉さまが、おやりになってさえ、(女形さんがやった方がしっくりくると思いつつも、吉さま以外の人への 集中力は続かない)はまれなかった、袖萩かーちゃん一家の、ぐすんぐすん話が長いわ長いわ。  そんなはずないのに、「あれ、貞任が出ないバージョンなの?」と失神と覚醒を繰り返しながら半ば、 本気で不安になったころ、上手部屋から、教氏実は貞任さんがお出まし。
 …やっぱり、わけわからん。あなたはだあれ?な状態だなあ。こりゃ。 で、あれよあれよとぶっかえり、こりゃまた、着込んでるのねぇ。袖を抜いていって、帯部分を整理して 形を整えて、一連の動きはとても見事なんだけども、もこもこしいなあ。 ぶっかえっちゃうとかっちょいいんだけど。  そして、結局、男の野望のためには、女子供も関係ない、犠牲になって当然って態度なんだよね。 人非にーん!ま、それはいいのさ。人間を超えちゃってる、今より日本がうーんと広かった (面積じゃなくてさ)時代の北方の誇り高い民だからさ。半分は人間じゃなくなってるようなさ。 だから、人非にーん!でいいんだけどね、いいんだけども、その後に、瀕死の袖萩と、お君じょじょと 親子3人抱き合ってホームドラマしちゃうのかよ〜!えーっ! あー!ここ、泣くとこ?泣けない私が人非人?いやーーーん。 そして、また、あれよあれよと、結局、今は、太郎義家くんとは戦わないで、「戦場で会おうぜ!じゃっ! 本日はこれぎり〜!」って幕。  いやあ、ごめんなあ。夜の先代萩@御殿でも、後ろの席の人とかはぐすんぐすんしてたんだけど 私、またもや、床下まで気絶しちゃったよ。最初の頃のお子ちゃまーずは、けなげ可愛くて観てたけど ずっとは集中できないよ。  …親子もののぐすんぐすん系が苦手だということが判明(気づくの遅すぎ) 親子ものぐすんぐすん系で唯一(?)好きなのは、佐倉義民伝くらいかなあ。 あれは、子別れとかしても、男の一念は通すしな。でも、政岡も女の一念通してるんだよねぇ。 やっぱり、吉さま以外の役者さんへの集中力は皆無に等しいか。。うーむ。。てへ。
 吉キチ各位からも寄せられている「赤旗ぶわー!」の魔力は、私も感じた。 いや、正直に言うと自覚していなかった。いなかったんだけど、同日観劇だった吉キチ仲間さん によると、「赤旗ぶわーのときに、前のめってたね」とのことだったのです。 ごめんね、後ろの席の方。  でも、これで、今年の厄落としができるかな。 今日時点では、不完全燃焼な感想なんだけど。  去年のお正月の石切梶原は、うーんとお正月っぽく、ノレたんだけどなあ。  2005年も、吉キチを揺れ動かしまくった吉さま。今年も、ぶんぶん、振り回してくださっちゃうのかしらん。 楽しみだっ。どきどきもイライラもちょっとは必要だ。  それに、貞任くんは、扱うものがいっぱいで大変なのね、紅白旗をくるくるしたり、ぶわーっとしたり 脱いだり、ぶっかえったり、着込んだり、太刀くるんだったり。 ので、後半になればなるほどスムーズで、美しい人外ぶりを発揮してくださるかと。 そして、私がぶーたれた、親子3人ホームドラマ抱擁場面も、すんなり納得できるように なっているかもしれなくなくないかもしれないし。
え?なんで、紅旗かって?ん、なんか赤旗だと、特定機関紙みたいなので。他意はありません。はい。  あと、三逢瀬 がんばります。
 2006年1月10日 記 寝ても醒めても 表紙へ